「ワンドアツーロック」という言葉をご存知でしょうか?これは防犯のために「1つのドアに2つの鍵をかける」という意味です。なぜ2つも鍵をする必要があるの?と、不思議に思われる方もいるかもしれません。確かに、私たちが住んでいる家やアパートなどのドアには、既に鍵が備わっている場合がほとんどです。なぜわざわざ鍵を足す必要があるのでしょう?
答えは簡単で、ピッキングなどの手口で鍵を開けられ空き巣に入られた、という被害が実際に起こっているからです。犯罪の手口は日々進化しています。備え付きの鍵だけでは十分な防犯対策とは言えないのが現状です。
そこで今回は、ドアの防犯効果を高める「ドアチェーン」についてご紹介いたします。
備え付きの鍵だけでは不十分 ドアチェーンの特徴と必要な理由
ピッキング、サムターン回し、バンピング、カム送り、ドア錠破り、こじ破り。これらは全てドアの鍵を開けるための手口です。空き巣の手口と、ドアの鍵の強化。2つの進化はいたちごっこを続けています。そこで推奨されているのが「ワンドアツーロック」です。ドアに備えられてある鍵が開けられても、第2の鍵があれば侵入を防げます。
ドアチェーンは、備え付きの鍵に追加して設置することができるチェーン式の補助錠です。比較的、好きな場所に簡単に設置できるのが大きな特徴です。チェーン式のロックをかけることで、万一備え付きの鍵が不正に解除されても、犯人は容易に侵入することができなくなります。
また、口コミを見てみますとドアチェーンの購入理由に「押し売り対策」を挙げる人もいます。チェーンであるため、ドアを少しだけ開けて外の様子を確認することが出来るのも、ドアチェーンの大きな特徴でありメリットです。
ネットで「ドアチェーンは簡単に外せる」と言われる理由とその真相
2010年、youtubeにある動画が投稿され話題となりました。その動画には、外から輪ゴムを使って簡単にチェーンロックを外してしまう様子が収められておりました。この動画を見た多くの人は衝撃を受け、動画は瞬く間に拡散されたのです。これが、今日もなおネット上で「ドアチェーンは簡単に外せる」と言われている大きな理由になっていると考えられます。
結論から言うと、ドアチェーンは簡単に外せるというのは「一部事実」であり、ドアチェーンを取り付けた場合に得られるメリットの方が遥かに大きいです。輪ゴムを使ったチェーンロックの外し方は条件がそろわないとできません。その条件と対策を下記いたします。
輪ゴムはチェーンを引っ張るために使われる ドアノブの形状次第では引っ張れない
動画では、チェーンロックとドアノブを輪ゴムで結ぶことでロックを外しています。この時、ドアノブの形状は水平にレバーが伸びているレバーハンドルです。このレバーハンドルとドアチェーンを結ぶことで、ドアを閉めた時にドアチェーンが水平方向に引っ張られてロックが外れてしまいます。つまり、ドアチェーンを外すには水平方向に引っ張る必要があるということです。
ドアノブの形状が丸形であった場合は、水平方向に伸びている物が何もないためこの方法は使えません。丸形のドアノブには「ドアチェーンは簡単に外せる」は該当しないと結論付けられます。縦向きに固定されたドアハンドルも同様です。水平方向に伸びている物が無ければ問題ありません。
まずは、ドアチェーンの取り付けを検討しているドアの「ドアノブの形状」を確認しましょう。
ドアチェーンに鍵がかかっていないのが条件 おすすめは鍵付きのドアチェーン
前述の通り、輪ゴムを使ったドアチェーンの外し方は、ドアチェーンとレバーハンドルを輪ゴムで結ぶことで、ドアチェーンを水平に引っ張り、ロックを外す、というものです。つまり、ドアチェーンが「引っ張ったら動く状態」でないとこの方法は使えません。
現在はドアチェーンも進化していて、外側から鍵をかけられるタイプのドアチェーンが商品化されています。これであれば輪ゴムで引っ張ってもドアチェーンが動くことがありませんのでロックは外れません。このように、ネットで言われているような「ドアチェーンは簡単に外せる」という情報は、全てのドア・全てのドアチェーンに当て嵌まるものではありません。むしろ防犯効果を高める効果的な防犯グッズの一つです。
まとめ
ドアの鍵を開けられての侵入窃盗被害が実際に起こっている以上、備え付けの鍵だけでは十分な防犯対策とは言えません。ワンドアツーロックを実践し、防犯対策として高い効果が期待できる「ドアチェーン」を取り付けることをおすすめします。
様々なタイプのドアチェーンが市販されていて、価格帯も数百円の物から5000円前後する物まで幅広くあります。比較的安価で購入できる防犯グッズであるため強度を不安視する方が多いようですが、口コミを見ると分かるように実際に購入した人の多くは「大丈夫だった」と、強度に対して合格点を与えています。
おすすめは鍵付きのドアチェーンです。ただし、この場合は鍵を失くしてしまった場合が大変というデメリットもありますので、鍵の管理はしっかりと行いましょう。
入口ドアの防犯対策に不安がある方は、安価で取り付け簡単な「ドアチェーン」を一度ご検討なされてみては如何でしょうか。