防犯対策ガイド

空き巣はガラス破りで簡単に侵入してくる!最新の手口と対策法を紹介します

「犯罪白書」平成29年度版によりますと、空き巣などの侵入窃盗の被害は昨年一年間で76477件にも及びます。家宅に侵入し、大切な財産を盗もうとする卑劣な人間が現実にいるということを、私たちは決して忘れてはいけません。中でも注目したいのが、窓ガラスを割って侵入するガラス破りです。多くの場合、空き巣は窓から侵入します。しっかり施錠していても、ガラスを割られてしまってはどうしようもありません。では、私たちはガラス破りに対してどういった対策を立てたら良いのでしょうか?今回はガラス破りによる空き巣被害を防ぐための対策をご紹介いたします。

 

誰でも簡単にガラス破りが可能なことから急増した「焼き破り」

 

空き巣犯がガラス破りをする時に気にするのが「音」です。ガラスを割る時に大きな音を立ててしまうと、人が集まってくるかもしれませんし、通報される可能性もあります。そこで考え出された手口が「焼き破り」と呼ばれる手段です。ガラスを割る時の音が小さく、しかも簡単にできることから、近年焼き破りによる被害が増えています。

焼き破りとは、熱を使ってガラスを割る手口のことを言います。ガラスを熱し続ける、または、熱したガラスに水をかけ急に冷やすことによってガラスにヒビを入れてから割る、というやり方です。焼き破りは前述の通り大きな音を立てずにガラスを割ることができ、しかもライターや小型のバーナーといった持ち運びが簡単な物でできてしまいます。

対策としては、まず「防犯フィルム」が挙げられます。防犯フィルムでもガラスが割れるのを防ぐことはできませんが、割れにくくすることで時間をかけさせることができます。空き巣犯が侵入を諦める時間は5分が目安です。5分以上の時間をかけさせることが大事です。

また、特殊なフィルムをガラスとガラスで挟んだ「防犯合わせガラス」は非常に割れ難く、より高い防犯効果が期待できます。窓に補助錠を設置する事も有効です。焼き破りで鍵を開けても窓が開かなければ犯人は焦りますし、更に時間がかかると分かれば侵入を諦める可能性が高くなります。

 

日本で生まれた古くからあるガラス破りの手口「こじ破り」(三角割り)

 

こじ破りとは、マイナスドライバーを用いて窓ガラスを割る手口のことを言います。窓のサッシとガラスの狭い隙間にマイナスドライバーを差し込むやり口です。こじる動作をすることから「こじ破り」、またはガラスが三角形に割れることから「三角割り」と呼ばれます。

こじ破りは短時間でガラスを割ることができ、前述の焼き破り同様ガラスが割れても大きが音がしません。そしてマイナスドライバー1本あればできてしまいますので、空き巣犯が好んで用いる手口の一つとなっています。ガラスが割れてできた穴から手、あるいは指を入れて鍵を開けるというやり方です。

こじ破り対策として有効なのは、焼き破り対策でもご紹介した「防犯合わせガラス」です。防犯合わせガラスはヒビが入ると大きな音が鳴るようにできていますので、近隣住人が犯行に気付いたり、空き巣犯が侵入を諦めて逃げたりする可能性が高くなります。しかも通常のガラスと比べ割れ難いので犯行には時間がかかります。時間がかかればかかるほど空き巣犯が侵入を諦める可能性が高まります。

また、こじ破りは三角割りとも呼ばれるように窓ガラスの一部を三角形に割る手段ですので、人が通れるような大きな穴が空く訳ではありません。市販の補助錠を窓枠に設置するのも有効です。補助錠を解除するために鍵が必要であれば、空き巣犯が侵入を諦める確率はより高くなります。

 

ガラス破りの中で最も大胆不敵で強引な手段「打ち破り」

 

空き巣犯は「音」を気にすると前述いたしましたが、そうではない場合もあります。ガラス破りの中で最も大胆な手口が「打ち破り」です。これは音が鳴ってもいいからとにかく叩き割るというやり方です。叩き割るために用いられる道具は、バールであったりハンマーであったり、石であったりコンクリートブロックであったりと様々です。

打ち破りにはもちろん大きな音が伴います。そのため、打ち破りで侵入を試みる空き巣犯はスピードを強く意識します。大きな音に気付いた誰かがやって来る前に、またはガラス破りを検知した警備員が駆けつける前に、あるいは通報を受けた警察官が現場に到着する前に、速やかに窃盗し逃走しようと企んでいます。

なので、打ち破りの一番の対策は時間をかけさせること。つまり、ガラスをより割れ難くすることが大事です。具体的には、強化された防犯ガラスや、防犯フィルムが有効です。打ち破りを用いて侵入しようと試みる犯人は、大きな音を立てるというリスクと引き換えにガラスを割ろうとします。ガラスが割れなかった場合、犯人はリスクだけを抱える形になり、侵入を諦め逃走する確率は必然的に高くなります。

割られない窓ガラスは現時点で実現困難ですが、割られ難くい窓ガラスにすることは可能です。窓ガラスを割れ難くすることで防犯の期待値は飛躍的に上がるということを知っておきましょう。

 

まとめ

 

ご紹介したガラス破りの手法・種類は、もちろん実際に犯行に使われた手口です。実際にこれらの手段を用いて他人の財産を盗んだ人間がいるということ、そして被害に遭われた方がいらっしゃるということを、私たちは決して忘れてはいけません。自分が「新たな被害者」になってしまわないように、自分たちでできる防犯対策は積極的に取り入れることをお勧めいたします。

繰り返しになりますが、空き巣犯の侵入口は多くの場合で「窓」です。そして窓は施錠するだけでは十分な防犯対策とは言えません。だからこそガラス破りへの対策はとても重要なのです。

上述いたしましたように、空き巣犯が侵入を諦める時間の目安は5分です。ガラス破りから5分以上耐えられる窓にすることで、空き巣被害に遭うリスクを大幅に下げることができます。あなたの大切な財産を守るために、しっかりとしたガラス破り対策を立てるようにしましょう。