防犯対策ガイド

ペットは防犯対策になるの?空き巣は犬を飼っている家の侵入を諦める?

今、私たちが生活していく中で一番身近に起こる犯罪でもある住居侵入窃盗事件。

その件数は、防犯意識の高まりもあり平成15年以降、減少傾向にあると警視庁の調べで報告されていますが、それでも平成28年度では年間約4万件の侵入窃盗事件が起きています。

いつの時代も決してなくなることのない空き巣などの犯罪を防ぐべく住居には様々な防犯対策がありますが、中でも空き巣が侵入を諦めた事例として、狙っていた家に犬がいたからという理由が実はとても多く挙げられているのはご存知でしょうか?

空き巣が侵入する住居を下見した際に侵入を抑制できた事例では、窓に面格子が付いていたり、防犯カメラがあったことよりも家で犬が吠えていた事の方が上位になっている調査報告があります。

では実際にペットはどのような防犯対策になりえるのでしょうか?

 

犬ほど防犯対策にも威力を発揮できるペットはいない

 

家で飼うペットと言えば、犬や猫また最近では、ハリネズミやウサギも人気がありますよね。

そんなペットの中でも防犯効果が期待できるのは、不審者に吠えたり果敢に立ち向かっていく犬しかいないのではないでしょうか。

飼い主に忠実で人間の4倍もの聴力で、室内にいても外の異変をキャッチしやすい特徴があり、時には人を助ける救助犬や事件の際に嗅覚を持って活躍する警察犬など、犬は私たち人間にとって大切なパートナーでもあります。

しかし、犬だとすべてが防犯効果に繋がる番犬とはなりません。

ではどんな気質の犬だと防犯効果が期待できるのでしょうか?

 

縄張り意識が高い生き物なので空き巣の侵入を威嚇し抑止効果に繋がる

犬は元々、自分のテリトリーを侵されると激しく抵抗や攻撃をする生き物です。

その気質が残り、警戒心や縄張り意識が高い犬だと、もし不審者が家に侵入しようとすれば、激しく威嚇し噛みついたり攻撃をするかもしれないと思わせることができます。

また警戒心が強い犬は特に飼い主との信頼関係も大切です。

むやみに人を襲ってしまわないように躾をすることで、忠実で護衛能力の高い犬となり防犯には効果を発揮します。

 

外部の異変をいち早く察知できるので不審者の存在を早く知ることができる

屋外でも室内でも見知らぬ人が来ると吠えて威嚇をする犬は、防犯には最適です。

人には気づけない小さな物音を捉えて知らせてくれたり、よく吠えることにより周囲から注目してもらえ異変に気づきやすくなります。

しかし無駄にいつも吠えてしまう犬は、近所からのクレームになったり、吠えていることに周りが慣れてしまうと防犯には逆効果となります。飼い主がコントロールできるような躾が重要です。

 

身体の大きい犬は存在そのものが防犯対策となる

身体の大きい大型犬は、その見た目だけでも防犯抑止に繋がります。

小型犬でも、よく吠えたり警戒心が強ければ一定の防犯効果はありますが、空き巣に簡単に抱き上げられクローゼットなどに押し込まれる可能性もあり、やはり大型犬の方が存在だけでも威圧感があり防犯にはおすすめです。

しかし、大型犬を飼うには運動がしっかりできる散歩の時間の確保や住居もある程度の広さが必要となります。

 

空き巣が犬を飼っている家に侵入することを諦める理由

 

空き巣は侵入する際に手間がかかったり、周囲から気づかれそうな家は避ける傾向があります。

できるだけ簡単に侵入し、誰にも見つからないように逃げられるかを下見しています。

犬に防犯抑止効果があるのは、吠えて周囲から気づかれてしまう危険性が上がることです。

また最近では、鎖で繋いで飼っている家は少なくなり室内での放し飼いが多い傾向にあります。

空き巣にとって、侵入する際に激しく吠えられたり、侵入した後も室内に犬がいると分かれば焦りも生まれ、不安になりながら室内を物色することになり空き巣にとってはデメリットばかりになります。

犬がいることが分かっていて、あえて侵入しようと思う空き巣は稀で、出来るだけ危険を回避したいと狙っていた家でも諦めてしまうことが多いです。

 

しかし番犬になるはずの犬を飼いはじめても上手くいかない場合もあります。

人間同様、犬にも性格があるので大型犬でも、気の弱い性格だったり、愛想が良く誰にでも尻尾を振って近づいてしまう性格の犬は、家では飼いやすいかもしれませんが防犯には向かないことになります。

また、犬種によっても多少の違いがあり温厚な性格の犬よりも、シェパードやドーベルマンなど本来備わっている運動神経や警戒心、賢さなどが際立つ犬種は訓練すれば防犯対策にも力を発揮する頼もしい相棒となってくれそうです。

 

防犯対策として犬を飼う前に知っておくべき注意点

 

空き巣などの不審者が近づくと吠えたり唸ったりできる犬は、防犯面でもしっかり抑止効果を発揮できることは分かってきましたが、だからと言って安易に犬を飼いはじめる前に是非知っておいてもらいたいことがあります。

それは、単に犬を飼うというよりも一つの命を預かる責任感が必ず必要となってくるからです。

最近は、ドックフードも栄養バランスをしっかり考えられて作られ、動物病院での高度な医療も受けられるために、昔と違い犬の平均寿命も延びてきています。

 

犬も若い時は、屋外の庭を走り回って、よく吠え防犯対策にも役に立ってくれるかもしれませんが、確実に人間よりも早いスピードで歳を取っていきます。

病気になることもあるし、そうなれば治療費もかかります。

そうなった時に、飼う側の人間の都合で手放してしまうことや、面倒を見られないと言って保健所に連れて行くなんてことは絶対にしてはいけません。

もし、最後まで面倒をみる自信がない方は、犬は飼わず別の方法で防犯対策を強化しましょう。

犬を飼うという事は、最後まできちんと愛情を持ち面倒をみる覚悟が大切です。

 

まとめ

 

いかがでしたか?

犬は縄張り意識が強いために、見知らぬ人が近づくとよく吠え空き巣などの侵入抑制に繋がる効果があります。

その性質は犬種や犬の性格にもよって違ってきますが、家に犬がいると分かるだけでも空き巣は侵入を諦める率が高くなるので防犯効果にはおすすめです。

また、犬は生き物なので飼い主がしっかり躾をし、愛情を持って接していくことで犬もそれに応えようと家に対する防衛本能も強くなり、役に立とうと頑張ってくれるかもしれませんね。

動物が好きで、家の防犯対策もしたいと考えている方は、一緒に住む家族として犬を迎え入れてみてはいかがでしょうか。