本来、部屋の中は安息の場所であるはずですが、一人暮らしの女性の場合はその限りではありません。部屋の中にいたとしても不審者などの危険に備えなければならないのです。ここでは、一人暮らしをしている女性に起こる危険や、危険の対策方法をご紹介していきたいと思います。これから一人暮らしをしようとしている方や、引っ越しを考えている方はぜひ参考にしてみてくださいね。一人暮らしをしている女性はもちろん、子どもが一人暮らしをしようとしているご両親や、一人暮らしをしている彼女を持つ方も必見です。
一人暮らしの女性が“部屋の中”で体験した本当にあった危険な事件
一人暮らしの女性の場合、部屋の中にいる時も気を抜くことができません。警視庁によると、強姦などの性犯罪は、およそ48.6パーセントが被害者の部屋の中で行われていると言われているからです。しかし、いつ来るか分からない不審者を部屋の中でずっと気を張りながら待ち受けているのは疲れてしまいますよね。ここでは、本当にあった犯罪をご紹介していくので、事件からどのような対応をしたら良いのか、一緒に対策を考えてみましょう。
本当にあった危険な事件①「宅配便です!」
2008年1月に強姦と住居侵入容疑で逮捕された連続婦女暴行事件の犯人は、実際に運輸会社に務める宅配ドライバーでした。宅配業者として荷物を届ける際に家の中をチェックして、1人暮らしでなおかつ忍び込める部屋を物色し、夜間に鍵が締まっていない窓から侵入し、被害者に目隠しをして「騒いだら殺す」と脅したうえで強姦に及びました。この犯人は、同様の手口で数十件の犯行をしたと自供しています。
また、この事件は実際に運送会社に勤めていた人が犯人でしたが、「宅急便です」とうそを名乗り、ドアを開けたところで押し入られることもあるので、来訪者には注意が必要です。インターホン越しやチェーン越しに会話をし、女性の一人暮らしだと悟らせない注意が必要ですね。
本当にあった危険な事件②「水道点検です」
2012年10月、水道点検と偽り女性の部屋へ侵入し、強盗・強姦をしたとして当時51歳無職の男が逮捕されています。「水道点検の参りました」と女性の家に上がり込み、女性の隙を見て抵抗できないように拘束してから強姦に及びました。計4名の女性に強盗・強姦をし、現金約100万円を奪ったと自供しています。
水道点検や電気点検は犯罪者がよく使う手口です。しかし水道やガス、電気点検などは、必ず事前に点検のお知らせが手紙で来るようになっていて、突然点検に来ることはありません。突然の来訪で疑わしく感じた場合は、公共料金の明細書などにある各会社へ電話したり、マンションの管理人に連絡を取るようにしましょう。女性が一人の時は、絶対に他人を家に上げてはいけません。
本当にあった危険な事件③「下の部屋のものだけど、水が漏れてるよ!」
被害者の下の階の住人を装って「下の部屋の者だけど、お宅の水が漏れてうちが濡れている!」と被害者宅を尋ね、被害者がドアを開けて中を確認させると「俺は○○組のものだ。金をもらってお前をボコボコにするように頼まれている」と脅し強姦・強盗をしたとし、犯人が逮捕されました。この犯人は、数年にわたり同じような手口で性犯罪を繰り返し、大阪市北部を中心に100件以上の強姦・強盗を行ったと自供しています。
知らない人に怒鳴られて委縮しても、部屋には絶対に上げないようにしましょう。管理会社を通してもらったり、不審な場合は警察に連絡することも考えて下さい。この犯人はあらかじめ一人暮らしの女性を狙っていたと供述しているので、一人暮らしだと悟らせないことも防犯対策として重要です。
本当にあった危険な事件④夏場に窓を開けて寝ていたら侵入された
鍵が開いていた女性の部屋の窓から侵入し、部屋で眠っていた女性に暴行し殺害した上に現金とキャッシュカード複数枚を奪った男性が逮捕されています。この犯人は、女性が一人暮らしをしていそうで、なおかつ無施錠の率が高い家を物色し、タイミングを見て犯行に及んだそうです。逮捕されるまで計3名の女性の部屋に同じような手口で侵入し、暴行強盗をしたと供述しています。犯人と被害者は面識がなかったようで、部屋の窓やドアの鍵を閉め忘れただけで、暴行されて殺害される痛ましい事件が起こりました。
この事件は、部屋の窓や玄関のドアの鍵を閉めていれば未然に防げた可能性が高いだけにとても悔しいですね。家にいるからと安心せずに、家にいるからこそ鍵をしっかり閉めなければいけません。
本当にあった危険な事件⑤男3人がかりで可愛い子の家に押し入る
一人暮らしの女性を狙った鬼畜ともいえる強姦・強盗・監禁事件の犯人は3人の男です。3人中1人が新聞配達のアルバイトで、配達に行くマンションの、美しい女性に目を付け、1人暮らしだということを調べ上げ、金に困っていた他2人の男と強姦・強盗の目的で女性の部屋を訪ね「新聞の勧誘」を証して女性の宅へ押し入り、包丁で脅して22時間にもわたる長い時間監禁し強姦を行いました。犯人たちは女性名義の銀行口座の暗証番号を聞き出し、ATMから約90万円を盗んだと自供しています。
このように、容姿によってターゲットにされる場合もあるので、男性の勧誘とドアを開け放して会話をするのはとても危険です。押し入られる危険性も考えて、必ずドアチェーンをしたり、玄関先であっても勧誘などを上げないよう注意しましょう。
一人暮らしの女性に考えられる危険とは?防犯対策のポイント
怖い事件ばかりでしたね。警視庁によると、東京都では性犯罪が強姦約200件、強制わいせつが約900件と発表されています。そして、犯罪の場所は強姦の約48.6%、強制わいせつの24.2%が住宅で発生しているのです。この統計は一戸建て・中高層・その他の住宅込みの割合ですが、住宅に次いでモーテルやラブホテル、一般ホテルや旅館の割合も多いことから、室内での性犯罪がとても多いことが分かります。
自宅に男性がいたりすると犯罪に巻き込まれるケースは格段と減るので、いかに一人暮らしの女性が危険なのかお分かりいただけると思います。では、強姦や強制わいせつの被害者にならないためにどのような防犯対策をしたら良いのでしょうか?ここでは、家にたどり着くまでと部屋の中での防犯対策のポイントをまとめていきたいと思います。
暗い道ではなく、人通りがある明るい通りを歩く
不審者は暗い道を好みます。帰り道に不審者のターゲットとなる可能性もあるので、不審者の目に留まらないように暗い道を歩かないようにしましょう。なにかあったら助けを求められるように人通りがある明るい道を歩くようにしてくださいね。また、歩いているときにはスマホ・音楽をイヤフォンで使用しながら歩く行為はNGです。不審な音や気配に気が付かなくなってしまうのでやめましょう。暗がりが怖いときは、すぐに助けを求められる電話がオススメです。今どのあたりを歩いているか相手に伝えながら歩くと防犯対策になります。
また、強姦は、20時~5時までの時間帯、強制わいせつは、23時~2時までの時間帯に最も発生が多くなっているので、夜間はなるべく外出しないように工夫したり、帰宅時間が遅くなった時はバスやタクシーを使用したりして備えてくださいね。
家の近くでコンビニには寄らずに人通りのある場所で買い物をする
警視庁の分析によると、強姦や強制わいせつの事件被害に遭った女性の約4割は、被害に合う直前にコンビニエンスストアに立ち寄っていたことが分かっています。加害者はコンビニで狙いをつけた可能性が高いということです。コンビニで被害者が目についたからというのもあると思いますが、「コンビニに寄ったということはこの近くに住居がある」と特定し、後を付けて部屋に押し入った可能性も高いと言われています。また、夜遅くに食料品などをコンビニで買っていると、一人暮らしだと不審者に悟られやすいのです。不審者に自分の家が近いということを悟らせないためにも、なるべく家の近くのコンビニを利用するのは避けましょう。買い物は人通りの多い駅前などでするようにしたり、ネットを活用するのもおススメです。
エレベーターや廊下、部屋の中でも気を抜かない
強姦や強制わいせつの事件被害は、集合住宅の廊下や、エレベーター内で起こる割合がとても高いです。マンション内に入っても油断せず、周囲に気をつけましょう。特にエレベーターは密室なので、不審者や異性と2人で乗ることは避けるのが理想です。不審者が乗り込んで来た場合は、すぐ降りることを心がけてください。マンションの前まで不審な人物が付けてきた時のために、あらかじめどこに逃げれば良いのか、交番や遅くまで人のいるお店などを確認しておきましょう。
また、部屋がオートロックの場合「オートロックだからと安心」と思うかもしれませんが、それは大きな間違いです。不審者がぴたりとくっついてきた場合は、オートロックが締まる前に家の中に入ってきてしまい、なおかつ中に入ると鍵が自動で締まるため、加害者は逃げるチャンスを失ってしまうのです。玄関の鍵を開けるときは周囲に人影がないか必ず確認しましょう。そして、家の中に入ったら必ず鍵を2つ以上締めるようにしてくださいね。ドアチェーンがある場合は必ずドアチェーンもしておきましょう。
一人暮らしの女性だと悟らせないことが防犯対策につながる
一人暮らしの女性が不審者に狙われる確率は、一人暮らしをしている男性や大人数で暮らしている女性よりもとても高いものになっています。犯人は、女性1人なら抵抗されても自分が有利だと考えて一人暮らしの女性を狙うのです。一人暮らしの女性だとバレるポイントはいくつかありますが、代表的なものは以下です。
・表札を出している
・洗濯物が女性物で、部屋のカーテンが女性らしい
表札は苗字だけしかありませんが、十分に女性の一人暮らしだとバレるポイントです。たとえば、職場で名札をつけていて、職場から家までつけられたというケースもあります。不審者が付いてきたことが分かって振り切りっても、表札で部屋番号が分かってしまうのです。また、“女性が相手なら誰でもいい”というに無差別に女性を狙う犯人の場合は、部屋が女性らしいかどうかが、「女性の一人暮らしなのか」の判断の決め手となります。
何と言われても他人を絶対に家に上げないことが重要
危険に備えるために最も重要なのは、他人を家にあげないことです。犯人は、部屋の中の内装を見てひとり暮らしの女性かどうか判断したり、どこから侵入しやすそうなのか判断し犯罪の計画を立てます。本物の宅配便スタッフや新聞配達員が犯人だったという例もあるので、「なんとなくこの人なら大丈夫、この企業なら安心」という“なんとなく”の信頼を持つのは非常に危険です。その他にも、保険のアドバイザーや着物買取の鑑定をお願いして、その日のうちに泥棒に入られたという事件もあります。 “家にいるから大丈夫だ”という危険な思いを持たず、“家にいるからこそ窓やドアの鍵をしっかりかけよう、家の中にいる人は見極めないといけない”と用心に用心を重ねてくださいね。
まとめ
犯人は確実に自分が有利になるように事を運びたいので、女性の一人暮らしは狙われる可能性が高くなります。ここでは様々な事件をご紹介しましたが、どれも本当にあった事件で、一歩間違えれば私たちの身近にも起こりえることです。少しの用心をしていないだけで、取り返しのつかないことになる可能性はとても高いのです。
女性は、家に入るまでの帰り道に不審者のターゲットとなることもありますし、部屋がたまたま目についたから狙ったという理不尽な目に会うこともあります。男1人でも手に負えないのに、集団で緒強いられることもあるのです。様々な危険を想像し、危険なポイントはあらかじめチェックし、後悔のないように防犯対策を行いましょう。