2016年に警察庁が発表した『住宅に空き巣が侵入した件数』は、全国で約4万4204件でした。この数字だけでもいかに空き巣に備えなければいけないのかがはっきりと分かりますね。その中でも、特に注意しないといけないのがマンションやアパートの一階に住んでいる方や、1階に玄関がある一戸建てに住んでいる方です。空き巣が起きた4万4204件中、4階建て以下のアパートやマンションへ侵入した空き巣が約1万1490件、一戸建て住宅に侵入した空き巣が約2万7600件という結果がでています。1階は、比較的空き巣が人の目を気にせずにドアノブに触れることができ、なおかつガラス破りがしやすいことから狙われやすくなっているのです。ここでは、空き巣や下着泥棒の被害にあう確率が一番高い『1階に住んでいて、なおかつ女性の一人暮らし』の方のために、犯罪に合う危険性や防犯対策についてご紹介していきたいと思います。
女性の一人暮らしは“1階が危険”!空き巣の防犯と対策は?
なぜ1階が一番空き巣に狙われやすく危険なのかご存知でしょうか?空き巣は見境なく犯行に及んでいると思うかもしれませんが、じつは念入りに空き巣に入る家を見定めているのです。空き巣に狙われやすい1階は、他の階に比べてこのような特徴があります。
・1階は、部屋の様子が外から丸見えなので女性の一人暮らしだと分かりやすい
・1階は、洗濯物が外から丸見えなので女性の一人暮らしだと分かりやすい
・1階の場合、無施錠の窓やドアから侵入しやすく、窓ガラスを割る行為も行いやすい
なんと言っても『女性の一人暮らしだと分かりやすい』ことと『無施錠の窓やドアを特定したり、窓ガラスを割る際に目撃されにくい』ということが、1階が空き巣に狙われるポイントです。では、どうすれば1階の危険性を減らすことができるのかまとめていきたいと思います。
女性らしい内装・洗濯物はNG!男物で空き巣対策を
1階は外から丸見えなので、女性らしいピンクの内装や整理整頓がついている部屋だと『女性の家だ』と瞬時に判断され、空き巣のターゲットとなる可能性が高まってしまいます。外から部屋の中を見せないようにカーテンを閉めることは防犯対策としてとても有効ですが、カーテンが女性らしい柄だと部屋の中を見せなくても女性だと勘づかれてしまいます。カーテンを選ぶときは男性が好むようなシックなカラーにしたり、ベランダに男性物のサンダルなどを置いて“男性が住む部屋、もしくは男性と一緒に住んでいる部屋”のようにしておくと、空き巣の目を誤魔化すことができますよ。
また、女性物の洗濯ばかりを干していると、女性の一人暮らしだとバレてしまいます。しかし、男性物の洋服や下着を少量干したとしても、空き巣はカモフラージュだと見抜くでしょう。100円均一などでも男性用の下着や靴下は購入できるので、最低限「男性が生活してるんだな」と思わせるくらいの洗濯物を用意してくださいね。
窓やドアの鍵は必ず施錠して危険を未然に防ぐ
部屋から出るときは必ずドアにカギをかけていますか?アンケートの結果、なんと『外出時に必ず施錠する』方は全体の52.3%しかいませんでした。半数近くの47.7%の方は『5分程度なら施錠しないことがある』と答えています。「5分程度なら空き巣なんて入らないし、何もされない」と考えているのです。しかし、5分程度であっても空き巣は部屋の中に入り込みます。万が一その時に何も盗めなくても、5分の間に侵入しやすい窓の鍵を開けておくくらいはできるのです。そして、家主が寝静まった時間に先ほど開けておいた窓から侵入するというパターンもあります。5分程度であっても、ドアの鍵は必ずかけるようにしましょう。また、窓を開けて換気している最中は必ず家の中にいるようにし、必ず鍵をかけるということも忘れないようにする必要があります。小さな窓でも、施錠されているかどうか定期的に確認するようにしてくださいね。
下着泥棒の危険に備えるには、下着を干さないことがベスト
なぜ1階が下着泥棒に狙われやすいかは想像がつきますね。ベランダまでの距離が短いから下着をとられやすいのです。下着泥棒に合う確率が最も高いのは1階に住んでいる方で、次いで2階となります。下着泥棒の場合、空き巣とは少し違う対策をしなければなりません。まず、下着泥棒は以下のような特徴があります。
・男物の下着が一緒にあっても女性物を盗む
・一度下着を取れたら同じ場所で数回繰り返す
・基本的には見境ないが、容姿を気に入り犯行をすることもある
下着泥棒は下着だけを狙うと思われがちですが、強姦の危険もあります。家主がたまたまベランダに出たタイミングで下着泥棒が下着に手をかけていて、勢いのまま強姦されてしまったというケースも少なくないのです。危険は回避するに越したことはありませんよね。実は、下着泥棒を回避する方法はとても簡単です。下着を外に干さなければいいだけです。とても単純ですが、意外と外に干してしまう方が多いので徹底しましょう。
1人暮らし女性が空き巣や下着姿の防犯対策におススメなものは何?
空き巣や下着泥棒に合わないように気を付けていても、窓を破られたりと防ぎようのない手段で犯罪者がやってくるときもあります。1階に住む一人暮らしの女性は、とくにそのような危険性が高いため、あらかじめ防犯対策グッズを用意しておくのがオススメです。防犯グッズはたくさんありますが、中でも手軽にできるおススメの防犯グッズは以下3つです。
・防犯砂利を敷く
・センサーライトや監視カメラを設置する
・セコムなどの防犯対策しているアパート・マンションに住む
それぞれどのような防犯対策なのか詳しくご紹介していきたいと思います。
空き巣は音が嫌い!砂利を敷いて防犯対策を
『防犯砂利』とは、その名の通り防犯を目的とした砂利(石)です。通常の砂利よりも1つ1つの粒が大きくなっていて、砂利の上を人が歩くと粒と粒がこすれあい、大きな音を出すようになっています。空き巣は大きな音を立てることを嫌がるので、侵入を諦めさせる効果が期待できます。防犯砂利はホームセンターなどで手軽に購入でき、美観も良いことから、ヨーロッパでは古くからガーデニングと防犯両方の観点から利用されていましたが、近年では日本でも防犯とガーデニングの両方の観点から、一般家庭で使用することが多くなりました。防犯砂利は、ベランダや庭に敷くだけなので女性でも簡単に設置することが可能です。防犯砂利の注意点として『除草作業』をしっかりすることと『地面から約4センチメートルの高さになるよう敷く』ということです。この2つを怠ると砂利の音がしなくなってしまうので防犯対策になりません。
空き巣は光が嫌い!センサーや監視カメラで空き巣に警戒される家づくり
空き巣は光と音を嫌うので、人が通ると反応するセンサーライトをつけておくのもおススメです。とくに夜間は暗がりになり隠れられる場所が多くなるので、死角になっている箇所や暗くなってしまう箇所を照らすと、空き巣の隠れる場所を無くすことができます。センサーライトだけで不安なときは、センサーライトがつくと作動する監視カメラを設置しておくこともおススメします。ダミーだとしても、監視カメラがある家に入ろうとする空き巣は少ないでしょう。実際に下着泥棒などの被害に合っていたりして犯人を特定したい場合は、本物の防犯カメラを設置しましょう。設置は業者がしてくれるので、防犯カメラの費用と合わせて10万円~30万円ほどになります。
いざというときのために!セコムなどの防犯対策しているアパート・マンションに住む
最近では、セコムなどの防犯会社と契約をしているアパートやマンションも少なくありません。契約内容にもよりますが、セコムは窓に設置したセンサーで家への侵入を監視し、異常があればかけつけてくれるサービスがあります。空き巣の手口で多いのは、1位が無締まりで2位がガラス破りです。1階に住んでいる方はドアだけでなく窓からの侵入に備えるべきだということが分かりますね。セコムのサービスは、非常ボタンを押すだけで、セコムの緊急対処員が家にかけつけてくれて、警察の手配など必要なことを行ってくれるサービスもあるのでもしもの時に心強いですよね。「不審者がいるような気がするけど確証がないから警察に相談しにくい」という状況でも、セコムを気軽に呼ぶことが可能です。女性の一人暮らしには特におススメしたいサービスです。
まとめ
1人暮らしの女性は空き巣や下着泥棒の被害に合う確率がとても高く、その中でも1階に住んでいる女性はさらに被害の率が高くなっています。女性の場合は契約の際にあらかじめ1階を避けることがベストですが、万が一避けることができなかった場合は、一人暮らしの女性だとバレないような対策をしたりして用心しましょう。防犯対策は、普段の意識も大切ですが、予測できない事態のためにグッズやサービスに頼るのもオススメです。多少の費用で安全が買えれば安いもの。「備えあれば憂いなし」の精神が良いでしょう。また、アパートやマンションだけではなく、1階に玄関のある1戸建ても空き巣の割合が高いです。外出する際は必ず鍵を閉め、少しの時間でも空き巣の侵入を許さないようにしてくださいね。