昔から最新のテクノロジーと、防犯上のホームセキュリティ技術というものは相性が良いものとされてきました。そして時は平成30年、ネットワーク技術やホームセキュリティ技術は日を追うごとに進化し、今ではIoTを活用した近未来的なホームセキュリティ技術というものが確立されつつあります。そこで今回は、IoTを利用したホームセキュリティ技術というのはどこまで進化しているのか、という部分や、IoTを使用した最新のホームセキュリティ技術ではどんな事ができるのか、という部分についてご紹介していきます。そもそもIoTって?という方も含め、IoTを活用したホームセキュリティ技術に興味のある方、そして防犯そのものに興味のある方、必見です。
IoTで出来る防犯対策は数多い?そもそもIoTって何?
結論から言うと、IoTでできる防犯対策は非常に多岐にわたります。
後ほど詳しく解説していきますが、 IoTは家庭やオフィスにある様々な「モノ」をインターネットを経由して操作することができるような技術です。そのため、それらがインターネット経由で連携することによって、防犯対策に幅が出てくるのですね。
それでは、その IoT技術というのはどのようなものなのでしょうか?次で解説していきます。
IoT技術って何?よく分かるIoT技術の解説
巷ではよくIoTという言葉が聞かれるようになりましたが、実際のところこの、IoTというものの意味がよくわからないという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
IoTはInternet of things、つまり意訳すると「モノとインターネットの融合」というような意味になります。
もっと突き詰めて簡単に言ってしまえば、電子レンジや家電製品、電球に至るまで、全ての「モノ」がインターネットに接続される時代が来た、ということです。
とにかく、詳しい技術的なことは割愛しますが、ご家庭にあるような家電製品がWi-Fiを通してインターネットに繋がるようになったものと、それで出来る事の総称がIoTだと思っていてください。
このIoTの技術があることによって、家電製品がインターネット経由で様々な情報をやり取りすることができるようになりました。つまり、スマートフォンから自宅の照明をつけたり、スピーカーから音楽を流したり、あるいは外出先からスマートフォンで玄関に施錠できたりもIoTなら難なくできる、というわけです。
現時点で実現している、IoTを使った最新のホームセキュリティは?
IoT技術の大まかな部分については先ほどご紹介をしたところですが、先ほどの通り家電はインターネットにつながる時代になりました。80年代から90年代に映画でよく見た近未来的なシーンが今、目の前に広がってると言っても決して過言ではないわけです。
それでは、そんなIoTを利用して現時点で実現している最新のホームセキュリティ技術にはどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは実際にIoT技術を使用した、最新のホームセキュリティの実例についてご紹介していきます。
ドア開閉センサーで本格的な警備システムが完成
ドアの開閉センサーにも、IoT技術を応用することができます。
ドアの開閉センサーというのは文字通り、玄関のドアなどに設置しておき、ドアが開いたり閉じたりした段階で、その開閉を記録してくれるような機能を持ちます。
そしてIoT技術を応用することで、ドアが意図せず開いた場合には即座にスマートフォンに緊急の通知を入れてもらうことも、できるようになっているわけです。
これによりドアがいつ開いたかも、外出先でも簡単に、そして即時に情報を入手することができるようになります。
もちろんスマートフォンに通知が来るだけではなく、設定によっては任意のメールアドレスへアラートメールというものを送信できる機能がついているものもありますし、更に様々な設定を行うことで、ドアが開いた瞬間に警備会社が出動する、というようなホームセキュリティ技術も構築することができるようになっています。
自動で玄関の鍵が開く!かかる!スマートロック技術
ドアの開閉センサーとほぼセットで使用されることの多いのが、IoT技術の賜物であるスマートロックです。
こちらはインターネット経由で、出先からスマートフォンで玄関のドアを開けたり閉めたりできるような機能を持つ他に、スマートフォンを鍵とすることができるようになっています。
つまりどういうことかというと、設定を行っているスマートフォンをポケットに入れたまま家に近づくだけで、自動的に玄関の鍵が開く、というようなシステムの構築をすることができるわけです。これは最新鋭の技術とも言えそうです。
スマート照明で、出先から自由に照明を操作可能
そしてスマート照明というものも最近は出てきています。これは簡単に言ってしまうと、電球にWi-Fiが通っていると思っていただければ、認識としては大丈夫です。
電球がインターネットを通して制御できるようになっていますので、こちらもスマートフォンやご自宅のパソコンなどから、自動的に照明をつけたり消したりできるようになるわけです。
またスマートフォンで設定を行えば、自宅に戻る前に照明をつけることもできたりしますし、またドアの開閉アラームが作動した時には照明を全てオンにすることで侵入者の撃退効果も十分に期待できます。
セキュリティカメラとIoT技術の相性は抜群
もちろん、セキュリティカメラもIoTに対応しているものが多く存在します。
インターネットとの相性の良さを発揮し、数年前からネットワークカメラというような名称で一足早くIoT技術への対応を見せているセキュリティカメラですが、こちらも動体検知センサーや、何らかの原因でカメラが意図的にふさがれてしまった際に、その事態を検出してメールなどで即座に知らせてくれるというシステムが利用可能となっています。
なお、様々な設定を行うことで、他のスマート家電との連携も可能となっており、例えばセキュリティカメラに何か動きがあり、侵入者と思われる人影がちらついた際にはスマート照明に連動してスマート照明が部屋の電気を全てオンにしたり、スマートロックで玄関の鍵を閉ざしてしまう、など様々な水際での防犯対策行動をとることができるようになっています。
GPS連動でまるで家に人がいるかのようなホームセキュリティが実現
さらにIoT技術というのは、スマートフォンが持っているGPS機能との相性も抜群です。
例えば、登録しておいたスマートフォンのGPS測位情報をキャッチして、スマートフォンを持っている人が自宅の半径500メートル圏内に入った段階で家の電気をすべて点灯させ、スマートロックで玄関の鍵を解錠し、さらにテレビの電源やエアコンの電源をオンにする、ということも十分に可能です。
またこのGPS連動については、使い方によっては、自宅から半径十キロ以上離れた所など、普段何事もなければまず出向くことのない地域にスマートフォンが移動した際に、その移動についてメールなどで通知してもらうこともできるようになっています。
これにより、例えばお子様の携帯電話にIoT技術を連携させておき、万が一お子様が普段の通学ルートから大きく外れてしまった場合に、自宅のテレビにその位置情報を表示したり、設定によっては、そのお子様から見ておじいちゃん・おばあちゃんの自宅のテレビにお子様の移動のルートがおかしいこと、そして現在の位置情報について即座に映し出す、というようなホームセキュリティの在り方も十分に可能となりました。
このように、20年ほど前に流行った近未来SF映画で出てくるような技術はひと通り、IoT技術の発達とその関連業界の技術の向上により、実現されたと言ってよいでしょう。
ただし、現状ではまだまだホームセキュリティ技術の全体的な技術の向上も求められますし、まだまだ機械に100パーセント全てを任せるということは、なかなか厳しいという現状があります。
そのためIoT技術を利用したホームセキュリティについては、あくまでも補助的な役割と捉え、最後は人間が自分の目や手で、防犯対策をしっかりと行うということが何よりも重要となります。
まとめ
今回はIoT技術を用いたホームセキュリティ技術の向上や関連する業界の動向、そしてIoTでできることを中心にご紹介してきました。IoTは、家庭やオフィスにある家電やその他の電化製品をインターネットで連携させ、そして様々な操作を遠隔で行うことができるシステムである、ということがお分かりいただけたかと思います。
想像よりも技術が意外に進化していた、と思われる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。またIoT技術は性質上、自由度が高いカスタマイズを加えることもできるようになっていることからDIYとの相性も抜群なため、そこまで導入のハードルが高くありません。そのため、今からでもご自宅をスマートホーム化するというのも選択肢のひとつと言えそうですね。