「網戸の防犯対策、していますか?」
こんなことを聞くと、ほとんどの人が、
「網戸なんかで防犯対策なんてできるの?」
と驚かれることでしょう。
本来網戸は、家の中に虫が入って来ないように換気をする目的で作られたものですから、防犯の機能はありません。
しかし網戸に少し工夫をしたり、防犯性の高いものに交換することで、空き巣のターゲットから外れたり、侵入を防ぐこともできるのです。
今回は、あなたの家が泥棒に侵入されないように、網戸に関する防犯対策についてご紹介していきます。
窓を網戸にしたまま出かけたり、眠ったりしていませんか?
網戸に関する防犯対策で基本中の基本なのが、「窓を網戸にしたまま外出したり、眠ったりしないこと」です。
空き巣など住居に侵入する窃盗犯の侵入方法で一番多いのが「鍵のかかっていない出入り口から入ること」で、平成28年の侵入窃盗事件のうち、一軒家では46.5%、3階以下の集合住宅では48.6%にもおよびます。
さらに一番多い侵入経路が「窓」で、一軒家が56.5%、3階以下の集合住宅は53.5%です。
このデータを見れば、窓を網戸にしたまま出かけるということが、いかに危険か分かるでしょう。
特に一軒家と3階以下の集合住宅の場合、庭やベランダに他者が容易に侵入できるので、より注意が必要です。
夏場は窓を網戸にしたまま、うっかり外出することのないように気をつけましょう。
網戸だけで眠っていると「忍び込み」の被害にあうリスクが高い
夏場の夜に、寝室の窓を網戸にして眠るという人はとても多いです。
確かにこれなら、寝る時に冷房をつけておく必要がないので電気代の節約になりますが、そのために電気代よりずっと高い代償を払うことになるかもしれません。
それは「忍び込み」の被害にあうことです。
忍び込みは空き巣同様、侵入窃盗の一種で、住人が眠っている間に住居に侵入し、金品を盗む手口です。
忍び込みの被害件数は空き巣よりは少ないものの、平成28年の発生件数は10,000件近くにのぼります。
暑いからといって窓を網戸にして寝ていたら、忍び込みの格好のえじきになってしまいますので、夏場でも窓をしっかり閉めて就寝しましょう。
今ある網戸に少しの工夫で、侵入窃盗犯から狙われるリスクを減らす防犯対策とは?
では次に、実際に網戸を使った防犯対策について説明していきましょう。
ご存知のように、網戸には防犯機能は備わっていません。
しかし、庭やベランダの網戸にほんの少しの工夫を施すだけで、侵入窃盗犯に狙われるリスクを減らせます。
庭やベランダの窓に対策が必要な理由は、広くて低い位置にあることから侵入がしやすく、泥棒の侵入経路として狙われやすいからです。
庭やベランダの窓は基本的に、横にスライドする引き戸タイプの窓2枚で構成されていて、その外側に網戸が1枚取り付けられています。
この2枚の窓のうち、網戸は普段、鍵の付いている窓と付いていない窓、どちらの側に配置していますか?
おそらくほとんどの人が、「鍵の付いていない側」と答えるのではないでしょうか。
鍵の付いている側に網戸が配置されていると、庭や玄関に出る時に、窓と網戸の両方を開けなければならず面倒だからです。
さて、ここで侵入窃盗犯のターゲットから外れやすくなるための工夫の話に戻りましょう。
その工夫とは、「網戸を鍵の付いている窓の側に移動する」だけです。
網戸を鍵のある窓の外側に配置すれば、侵入窃盗犯のターゲットから外れやすい
侵入窃盗犯の侵入方法として二番目に多いのが「窓のガラスを破って侵入する」手口です。
ガラスを破る方法には、サッシと窓の間にマイナスドライバーを突き立ててガラスを破る「こじ破り」や、バーナーで窓をあぶってガラスを破る「焼き破り」などがあります。
侵入窃盗犯は、これらの方法で窓の鍵付近のガラスを破り、そこから手を室内に入れ、窓の鍵を開けて侵入します。
そのためには、網戸は鍵の付いていない窓の側にあったほうが、窃盗犯にとって都合がいいのです。
網戸が鍵側の窓の前にあると、ガラス破りの前に、網戸を反対側に移動させなければいけません。
もっとも網戸を反対側にずらすのは簡単ですし、時間もかかりません。
しかし侵入窃盗犯にとっては、このひと手間がけっこう嫌なことでもあるのです。
侵入窃盗犯は、簡単に侵入できそうな家を狙います。
ほとんどの家の網戸が鍵の付いていない窓側にある中で、一軒だけ網戸が鍵の付いている窓側に配置されていたら、侵入窃盗犯はその家をターゲットから外す可能性が高いのです。
ほんのひと手間でも、わざわざ他の家より侵入に手間がかかる住居を狙う理由はないのですから。
確実な方法ではありませんが、侵入されるリスクを簡単に減らすことはできるので、ぜひ採り入れてみてはいかがでしょうか。
セキュリティ対策バツグン!金属製の網戸で泥棒の侵入を防げる
最後に紹介する対策は、網戸を「金属性の網戸に交換すること」です。
日本で販売されている金属性網戸は、網にステンレス製のワイヤーを使っているため、刃物で切り裂くことも、ハンマーなどの工具で壊すことも、バーナーで焼き破ることもできません。
網戸なのにも関わらず、通常のガラス窓以上の強度と防犯性を持つ優れものなんです。
さらに、金属性の網戸には鍵も付いています。
ガラス窓のように破ることができない以上、この鍵を侵入窃盗犯が開けることは不可能です。
もちろん通気性もあるので、夏場の熱い夜に、網戸にしたまま眠ることだってできます。
ただ、金属製の網戸の難点は値段が高いことです。
使う網戸の大きさにもよるので一概には言えませんが、一般的なベランダの窓のサイズで、網戸代・工賃込みで40万円くらいが相場のようです。
しかし空き巣の被害にあった場合のことを考えれば、安い投資と言えるかもしれません。
網戸でできる防犯対策まとめ
網戸は防犯のために作られたわけでありませんが、泥棒の家への侵入を防ぐために、網戸でできる対策は3つあります。
1つは、窓を網戸の状態にしたまま外出したり、眠ったりしないこと。
基本的なことですが、夏場にこれをやる人はとても多いです。
外出時に空き巣に入られたり、寝ている時に忍び込みに入られたりする危険性があるので、しっかり窓の鍵を閉めましょう。
次の1つは、網戸を窓の鍵が付いている側に配置することです。
100%ではありませんが、あなたの家が侵入窃盗犯の狙いから外れる確率が高まります。
最後の1つは、網戸を金属製のものに変えることです。
金属製の網戸は、刃物や工具でも破ることができないうえ、鍵も付いているので泥棒は家に侵入できません。
ぜひ上記の対策を活用して、泥棒の家やへの侵入を防ぎましょう。