防犯対策の理想形であるホームセキュリティ。「家にも導入したい」と考えたことがある方は多いのではないでしょうか。しかし、ホームセキュリティには「すごくお金がかかりそう」というイメージが強くあります。実際にそうなのでしょうか?
「一部のお金持ちの家だけに導入されるもの」というイメージが先行し、ホームセキュリティの導入を最初から諦めている。そういう方は、実は非常にもったいないことをしているかもしれません。なぜなら、ホームセキュリティは警備会社によって内容が異なり、各警備会社が価格競争を行うことによってリーズナブルなプランも誕生しているからです。
詳細を知ることで、ホームセキュリティに抱いているネガティブなイメージもきっと変わるでしょう。そこで今回は、ホームセキュリティについて詳しくご紹介いたします。
勘違いされがちなホームセキュリティの定義 まずは基本的なシステムを知ろう
ホームセキュリティはよく勘違いをされます。その勘違いが原因で「ホームセキュリティは意味ない!」と批判する声もあります。一体どう勘違いされてしまっているのでしょう?それを知るには、まずホームセキュリティの定義を知る必要があります。
ホームセキュリティとは、機械によって自動化された防犯・警備システムのことを言います。各種感知センサーで、ガスの異常、火災、侵入者などを察知し、家主に通報したり警報が鳴ったり、状況によっては警察や消防へ通報したり、警備員が現場に急行したりする仕組みです。つまり、ホームセキュリティの最大の目的はもちろん「防犯」ですが、基本的には「何かが起こった時にすぐ気づいて対処できるように監視するシステム」なのです。例えば空き巣や強盗が家に侵入した時に、すぐに警報が鳴ったり警備員が駆けつけたりすることで、被害を最小限に抑えることができます。
「ホームセキュリティは意味ない!」という批判が起こる理由
ホームセキュリティがよく勘違いされる点は、空き巣や強盗の「侵入そのものを防ぐ」と思われてしまうことです。番犬や警備員が24時間警備するようなイメージと勘違いされ、ホームセキュリティに加入している住宅が侵入されたという事例を聞いて「意味ないじゃないか」と批判するようです。しかしそれは違います。
まず、前述の通りホームセキュリティは「侵入者に対し速やかに対処するシステム」であるということ。次に、侵入者に対し速やかに対処することには、大いに意味があるということ。警報が鳴ることで侵入者が物を盗む前に逃げ出したり、盗まれても犯人を確保し盗まれた物が戻って来たりと、ホームセキュリティが与える恩恵は非常に大きいものがあります。そして、ホームセキュリティを導入していると外から見て分かるようにすることで、空き巣や強盗などに犯行を諦めさせるという防犯効果も期待できます。ホームセキュリティは意味ないどころか、非常に高い防犯効果が期待できるシステムなのです。
ホームセキュリティとは何か。それを正しく認識することは、ホームセキュリティの是非を問うために必要不可欠なことです。
ホームセキュリティによる安全は「法律」で守られている 厳しい規定をクリアした人や機械
アメリカやヨーロッパのドラマや映画では、ベビーシッターの姿をよく見かけます。ベビーシッターの文化がよく根付いているからこそのことですが、恐ろしいことにベビーシッターが犯罪を起こす場合もあります。信頼して任せた相手に裏切られると、失うものはとても大きいです。
では、日本のホームセキュリティの場合はどうでしょうか?もし家を守るべき警備員やシステム側に悪意があれば、家宅への侵入は容易になってしまうでしょう。ホームセキュリティに関わる人やシステムに悪意が無いと、信頼して任せて大丈夫なのでしょうか?こういった私たちの不安を解消してくれるのが「警備業法」という法律です。
ホームセキュリティというシステムは、民間の警備会社が提供するサービスの一種です。もちろんサービスの提供に応じた料金が発生します。このサービスの提供は、誰でもできるというものではありません。法律で決められた厳しい規定をクリアして初めて提供できるサービスです。
警備員は厳しい規定をクリアした人しかなれない
警備業を営むには警備業法に従わなければなりません。この警備業法でこと細かに、厳しく、規定が設けられています。警備員になるには警備業法に沿った厳しい規定をクリアしないといけません。まず18歳未満の人は就くことができないと法律で定められています。犯罪歴のある人は、刑期満了後5年以上経っていないとなれません。執行猶予の場合も同様で、執行猶予期間中はもちろん、猶予期間を終えても5年間はなれません。
また、過去に破産し復権していない人も就くことができません。他にも、暴力団の構成員やアルコール中毒者が警備員になることも法律で禁じられています。守るべき財産を逆に盗むような恐れのある人物が警備業に従事してしまわないように、厳しく適性を審査し、合格した人だけが採用されるのです。
厳しい規定をクリアしないといけないのは人だけでなく機器も同様
警備に関わる機器についても厳しい規定が設けられています。警備会社は内閣府令が定めた信頼性の高い機器を使用するように法律で定められているのです。例えば、もし侵入されたのにセンサーが作動しなければホームセキュリティの意味がありません。また、通信機器の性能が低くてもいけません。せっかくセンサーが感知しても、管理センターに信号を発信する機能が働かなければ意味がありませんし、管理センターの受信機能が悪くても問題です。管理業法によって、こういった信頼性の低い機器を管理会社は使用できないようになっています。
このように、法律が定めた厳しい規定に合格した人や機器によって、ホームセキュリティというシステムが構築されているのです。
理想の防犯対策を実現する24時間365日の監視システム
ホームセキュリティが自分でできる防犯対策と決定的に違う点は、やはり「24時間365日対応可能」という点です。例えば空き巣は、あなたが寝ている間や出かけている間、あるいは旅行に行っている間を狙います。こういった隙を狙われてしまうと、気付いた時にはもう後の祭りという状況が生まれやすくなります。常に異変に気付く誰かがいてくれるのが理想です。その理想を叶えてくれるのがホームセキュリティです。
個人でできる防犯対策にはやはり限界があります。防犯対策として高い効果が期待できる防犯グッズを個人で購入したとしても、24時間365日、常に起きて家にいる訳にはいきません。また、それらを設置・維持するための手間が生じるのも難点です。ホームセキュリティはこれらの問題を一気に解消してくれます。
空き巣は特に長期休暇の時期を狙っています。お正月やゴールデンウィークなどで長期間家を留守にしている間が特に危険なのです。戸締りするのは当たり前。ではガラスを破られ侵入された場合はどうするのか。誰が家を守ってくれるのか。こういった場合に、個人でできる防犯対策とホームセキュリティの間に大きな差が生まれます。
財産だけでなく時には命そのものを守ることも ホームセキュリティがもたらすメリット
もしあなたの家にホームセキュリティが導入されたら、具体的にどんなメリットをもたらしてくれると思いますか?この問いに多くの方は「防犯対策」と答えられるのではないでしょうか。大手警備会社「セコム株式会社」がホームページ上に掲載している「ご利用者の声」を見ると、ホームセキュリティに加入した理由に空き巣などの不審者の侵入に対する防犯対策を挙げている方が14件中11件見られました。やはり実際に導入なされた方の多くが、侵入者への対策を目的としています。
確かに、侵入者対策としてホームセキュリティは非常に高い効果が期待できます。実はそれだけではなく、ホームセキュリティのメリットは多岐にわたるのです。では、侵入者対策以外のメリットには、具体的にどのようなものがあるのでしょうか?それを一つずつご紹介いたします。
侵入者以外の脅威、ガス漏れや火災にも速やかに対応
侵入者以外の異常にも速やかに対応できるのは、ホームセキュリティの大きなメリットの一つです。例えばガス漏れにもホームセキュリティに加入していれば迅速に対応してくれます。ガス漏れが起こった時は早く気付き、早く対処する事が重要です。ガスが充満すればするほどリスクは高まり、被害が発生した場合の規模も大きくなります。ホームセキュリティはあなたが寝ている時も、家を空けている時も、24時間対応してくれます。
また、ホームセキュリティは火災にも対応しています。ガス漏れ同様、火災発生時は速やかに対応できるか否かで被害の規模に雲泥の差が出ます。ホームセキュリティは必要に応じて119番通報もしてくれますので、速やかな対応が可能です。
当事者じゃないからこそできる緊急時の冷静な対応
例えば不審者が侵入していると分かった時、あるいは前述の通りガス漏れや火災が起こった時。こういった異常事態に直面した場合、冷静に落ち着いて対処するのは非常に難しいことです。「冷静に、落ち着いて」と言葉にしてしまえば簡単ですが、ドアの向こうに不審者がいる場合に、またはガスの警報がけたたましく鳴る状況で、あるいは目の前で炎が立ち上っているのを見て、それでも冷静に落ち着いて行動できる人は決して多くはないでしょう。
ホームセキュリティは異常を検知すると登録された緊急連絡先に通報します。通常は加入者の携帯番号が緊急連絡先となります。つまり、異常が発生した時に一人で立ち向かわなくて良いということです。仮にあなたがパニックに陥っても、管理センターの職員が適切な対応を電話で伝えてくれます。場合によっては警察や消防への通報も行ってくれますので、異常発生時には非常に心強い味方となってくれるでしょう。
警備員が急行することで防ぐことができる身体の被害
私たちが防犯対策として気を付けなければならないことは、空き巣だけではありません。空き巣が住人と鉢合わせることによって強盗に化けることもありますし、最初から住人がいると分かっていて侵入してくる強盗にも気を付けなければなりません。また、女性の場合は、女性への乱暴を目的に侵入を試みる輩にも注意しなければならないでしょう。
このように、卑劣な犯罪者によって脅かされるのは、私たちの財産だけではありません。私たちの身体の安全や、命そのものが脅かされる場合もあるのです。
ホームセキュリティは状況に応じて警備員が現場に駆け付けるシステムになっています。家に不審者が侵入して来た時、一人で立ち向かわなくても誰かが助けに来てくれる。これによって守られる身体の安全、あるいは命は、高級な貴金属やお金よりも遥かに大切な財産と言えるでしょう。
何かあった時の備えが「何も無い」を生む ホームセキュリティ導入で得られる抑止力
先に、ホームセキュリティは基本的に「何かあった時に対処するシステム」とご説明いたしました。では、何も無かったら、ホームセキュリティは無駄なのでしょうか?もちろん違います。ホームセキュリティに加入しているからこそ何も無かった、とも言えるからです。
空き巣や強盗といった犯罪者は「決して捕まりたくない」と考えています。犯行中、または犯行後は、捕まることに怯えビクビクしているのです。だから犯罪者は捕まらなさそうな家を狙います。例えば同じような家が二軒並んでいて、一方はホームセキュリティに加入していて、もう一方は非加入であれば、狙われやすいのは非加入の家です。こうしてホームセキュリティは犯罪被害を未然に防ぐ抑止力としても働くのです。
「守られている」という安心感はストレスを抱え続ける日々から解放してくれる
ホームセキュリティを導入することによって得られる安心感も大きなメリットの一つです。何かあったらどうしよう、という不安を抱え続けることは心身にストレスを与えます。このストレスからの解放は加入者にとって大きなメリットです。現に、インターネット上に見られるホームセキュリティに加入した人たちの声には、「安心できるようになったから良かった」という趣旨の意見が多く見られます。やはり不安を抱えて生きるというのは私たちにとってはストレスです。このストレスを解消するために加入したという意見を、私たちは決して軽視してはいけないのでしょう。
特に女性やお年寄りが住んでいる家では、いつ何が起こるか分からないという不安は大きなストレスに繋がります。家族、あるいは自分自身が守られているという安心感を得られるのは、非常に大きなメリットと言えます。
ホームセキュリティを導入する前にちゃんと知っておきたい「デメリット」
ホームセキュリティは理想の防犯対策とはいえ、導入することで生じるデメリットもあります。導入を検討する際は、やはり良い所だけを見るのではなく、デメリットもきちんと把握しておかなければなりません。ホームセキュリティの定義や安全性、システムなどを見る限りでは、ほとんどデメリットが無いように見えます。では一体どのようなデメリットがあるのでしょう?
まずは何と言っても経済的な負担。民間の警備会社が提供するサービスである以上、もちろん料金が発生します。とは言え、前述の通り現在はリーズナブルなプランも登場し、加入者の経済的負担はかなり抑えられるようになりました。料金の詳細については後でご説明します。
次に、ホームセキュリティを導入することで逆に空き巣に狙われる、という状況が生まれる可能性があること。基本的には犯罪の抑止力として働きますが、中には「大金がある家だ」と判断し侵入しようと考える者もいるのです。このような犯罪者は、セキュリティの抜け道を探すために必ず入念な下見をします。家の周りに不審な人物がいないかを普段からよく注意して見ることで、犯罪被害に遭う可能性を減らすことができるでしょう。
月々の支払いは1万円以下に抑えられる!思ったより高くないホームセキュリティの料金
ホームセキュリティの一番のデメリットである経済的負担ですが、導入だけを見れば驚くほど安い料金で導入することが可能です。月々2800円、あるいは1800円という警備会社もあります。この金額だけを見るとすぐにでも加入したくなりますが、これはもちろん最低料金です。ホームセキュリティにもいろんなプランがあり、オプションがあり、機器のレンタルか買い取りかでも料金が違います。良いサービスを受けようと思えば相応に対価も高くなります。
じゃあやっぱり高くなるのかと言うと、恐らく思ったほどではないでしょう。業界大手の「セコム」と「アルソック」を例に具体的な料金をご紹介いたします。
国内最大手で日本初の総合的警備保障会社「セコム」
セコムは2つのプランから料金を選ぶことができます。1つは「機器レンタルパック」。各種センサーやライトなどの機器を、間取りに関係なく同じ料金でレンタルすることができます。初期費用を安く抑えられるメリットがありますが、逆に月々の料金は買い取りと比較すると高くなります。
もう一つのプランは「機器お買い取り」。こちらは機器をレンタルするのではなく買い取るプランです。毎月の支払いを安く抑えられるのが一番のメリットです。その分初期費用は高くなります。
「戸建て」か「マンション」(または小規模な戸建て)で料金が異なります。それぞれのパターンの料金を下記いたします(料金は税別)。
「機器レンタルパック」
・戸建て:月額6800円、初期費用(工事料)58000円、保証金:20000円(非課税、契約満了時返却)
・マンション:月額4300円、初期費用(工事料)43000円、保証金:20000円(非課税、契約満了時返却)
「機器お買い取り」
・戸建て:月額4500円、初期費用427300円(機器の個数や建物の状況によって異なる)
・マンション:月額3000円、初期費用152500円(機器の個数や建物の状況によって異なる)
ホームセキュリティの価格に革命を起こした「アルソック」
アルソックはホームセキュリティの価格を従来の約半分にまで落とした実績のある警備会社です。一流スポーツ選手が所属していることでも知られ、かつては吉田沙保里選手や伊調馨選手もアルソックに所属していました。また、ユニークなCMを流すことでも有名です。
アルソックは、長期不在向けのプランや、高齢者の一人暮らし向けのプランなど、アコムよりも更に細かくプランが用意されています。ここでは基本的なプランである「ホームセキュリティBasic」と「HOME ALSOK アパート・マンションプラン」の2つをご紹介いたします(価格は全て税別)。
「ホームセキュリティBasic」
・お買い上げプラン:月額3500円、工事費53000円、機器費194600円
・レンタルプラン:月額6870円、工事費53000円
・ゼロスタートプラン:月額7760円、初期費用0円
「HOME ALSOK アパート・マンションプラン」
・お買い上げプラン:月額3000円、工事費35000円、機器費139800円
・レンタルプラン:月額5420円、工事費35000円
・ゼロスタートプラン:月額6010円、初期費用0円
まとめ
繰り返しになりますが、ホームセキュリティは防犯対策の一つの理想形と言えます。導入する事で得られるメリットはとても大きいものがあります。デメリットである経済的負担も、実績十分な大手2社を見ても月々3000~7760円と、私たちが現実的に導入可能な金額です。もちろん初期費用はある程度かかってしまいますが、導入によって得られるメリットを考慮すると、十分検討に値する金額なのではないでしょうか。月額料金は上がりますが初期費用が0円のプランがあるのも魅力です。
空き巣、強盗、不審者など、私たちの日々の幸せを脅かすような人間が現実にいることを考えると、防犯対策を何も行わないというのはあまりにも危険過ぎます。そして個人が行える防犯対策には限界があります。安心を得たいとお考えの方は、この機会にぜひホームセキュリティの導入をご検討なされては如何でしょうか。