防犯対策として心強いホームセキュリティですが、色々と気になる点、または心配な面もあるのではないでしょうか。例えば、ホームセキュリティは停電の時どうなってしまうのでしょう?もし室内でペットを飼っていたら、外出時はいちいちペットにセンサーが反応してしまうのでしょうか?機器が誤作動を起こしてしまった場合は一体どうなるのでしょう?私たちが抱く疑問や不安に、警備会社はどのような「答え」を用意しているのか。興味深く感じませんか?
ホームセキュリティというシステムには、私たちが知らないこと、意外なことがたくさん含まれています。中には思わず感心してしまうことも。そこで今回は、興味深くて役に立つ「ホームセキュリティの豆知識」をご紹介いたします。
ホームセキュリティは停電の時にどうなるのか
テレビやエアコン、冷蔵庫や洗濯機などの家電は、停電時に使えなくなってしまいます。では、ホームセキュリティに使用される各種センサーや制御装置はどうなってしまうのでしょうか?家電と同じようにコンセントから電源を引いているのであれば、やはり同じように使えなくなってしまうはずです。せっかくホームセキュリティを導入したのに停電で使えなくなってしまう、なんてことはあってはいけないように思われますが、実際はどうなのでしょうか?
結論から言いますと、ホームセキュリティは停電時でも機能します。業界最大手である「セコム」を例にしますと、まず各種センサーは電池式ですので停電の影響を受けません。次にホームセキュリティを制御する装置ですが、こちらは停電時に電源が予備電源用のバッテリーに切り替わるようになっています。最後に通信ですが、停電でインターネット回線が使えなくなっても大丈夫なように独自の通信システムを有しています。
セコム以外のほとんどの警備会社も停電を想定したシステムを構築していますので、停電で機能を失ってしまう心配はないと言えます。
警備員と警察はどう違うのか 警備員に犯人逮捕の権限はあるのか
ホームセキュリティは、緊急時には必要に応じて警備員が駆けつけてくれます。この警備員には警察と同じように犯人逮捕の権限があるのでしょうか?警備員が到着した時にまだ犯人がいたら、警備員が捕まえてくれるのでしょうか?
この答えは少し複雑です。まず、警察と同じように犯人逮捕の権限があるかと言うと、「ない」です。じゃあ、犯人が目の前にいても警備員には逮捕できないのかと言うと、それは「できます」。犯人が現行犯であれば私人逮捕が可能になります。万引きGメンが万引き犯を捕まえるのと同じです。
ただ、犯人が逃げた場合は明確な違いが出ます。警察はもちろん犯人逮捕のために積極的に追います。一方、警備員が優先するのは犯人逮捕よりも警備対象の安全です。犯人が戻って来たり、あるいは犯人の仲間がいたりした時に備え、住人と家宅の安全を優先します。
ペットを飼っていた場合はペットにセンサーが反応してしまうのではないか
ホームセキュリティには「空間センサー」といって、人体の熱を感知する機器が用いられます。ペットを飼っていた場合、ペットがこのセンサーに反応してしまうのではないでしょうか?その答えは「反応する」です。空間センサーはペットにも反応してしまい、管理センターに異常を知らせてしまいます。
じゃあ、ペットがいるとホームセキュリティは使えないじゃないか、と思われたかもしれませんが、決してそんなことはありません。警備会社はペットがいる場合でも快く相談に応じてくれます。ただ、ホームセキュリティとペットの相性が悪いという点を忘れてはいけません。導入には飼い主の理解と協力が必要になります。
具体的には、ペットに反応してしまう空間センサーの位置をどうしましょうか?という話になります。例えば、防犯のためにどうしても空間センサーをリビングに設置したい、リビングはペットが過ごす場所、この二つをどうにか両立させてくれ、などと無理を言っては話が進みません。リビング以外の防犯効果の高そうな場所にセンサーを設置するか、外出時はペットがリビングに入れないようにするか、どちらかを選ぶ必要があります。
警備会社に相談し、ベストな答えを一緒に導き出すのが一番でしょう。
センサーがペットに反応するのであればルンバにも反応するのか
先にセンサーがペットにも反応してしまうと述べましたが、ではロボット掃除機「ルンバ」にも反応するのでしょうか?この答えはやはり「反応する」です。笑い話のようですが、実際にルンバに反応して警備員が駆けつけたという事例はあります。私たちは面白く感じてしまいますが、当人たちにとっては笑い事ではないでしょう。
では、ルンバがある家にはホームセキュリティは導入できないかと言うと、もちろんそんな訳はありません。
まず、外出時はルンバを使わないという選択があります。ホームセキュリティをOFFにしている間だけ使えば問題ありません。しかし、外出している間にお掃除をしてくれるのはルンバの大きな魅力です。やはり外出時にこそ使いたいという方は、空間センサーが無い部屋だけ掃除させるという方法があります。
どうしても空間センサーの有る場所で使いたい場合は、センサーの向きを調整することでルンバぐらいの高さであれば反応しないようにすることも可能です。ただし、この調整はプロにも難しい場合があり、調整しても感知してしまう場合もあります。いずれにせよルンバの使用を警備会社に相談するのが一番です。
ホームセキュリティに誤作動はあるのか あった場合どうなるのか
基本的には誤作動は「ない」です。ただ、防犯機器の性質上「誤報」は起こり得ます。前述したペットやルンバによる反応も誤報に含まれます。ホームセキュリティに用いられる各種センサーは、いざという時にきちんと反応するために感度が高く設定されています。そのため、ちょっとしたことにでも反応してしまうというデメリットがあります。
誤報の多くは空間センサーによるものです。空間センサーは動くものに反応しますので、ペットやルンバはもちろん、風で揺れるカーテンにも反応します。対策としてはもちろん動くものが無い状況を作ること。エアコンの送風で何かが揺れても反応する場合がありますので注意が必要です。
誤報があってしまった場合はどうなるのでしょうか?警備会社は当然、本番と同じ対応を取ります。緊急連絡先に連絡がかかって来て、警備員が現場に急行する。誤報の度にこうなってしまいます。これはホームセキュリティがしっかり機能していることの証拠にもなりますが、なるべく誤報が無いように注意しましょう。
ホームセキュリティは新築じゃなくても「後付け」が効くのか
これはもちろん「後付け可能」です。実際にホームセキュリティを導入なさっている方の中にも、後付けの方はたくさんいらっしゃいます。後付けの理由は、元々ホームセキュリティの導入を考えていなかったけど、近所の家が空き巣被害に遭ったからとか、最近不審者情報をよく耳にするからとか、住人が高齢化して昼間は老人一人になるからなど、様々です。
ホームセキュリティは後付け可能ですが、新築時に設置するとメリットが得られます。後付けですと、見た目が悪くなるという理由で有線のセンサーが使えません。そのため無線の機器を使用します。一方、新築ですと、工事の段階で機器を設置することにより、配線を隠すことが可能になります。有線の機器を使用することで、無線と比べ費用を安く抑えられるというメリットがあります。
ステッカーが持つ防犯効果を得るためにステッカーだけを入手することは可能か
ホームセキュリティはいざという時に役に立つシステムであると同時に、その「いざという時」を無くす抑止力としても高い効果が期待できます。空き巣は決して「捕まってもいい」という気持ちで侵入しません。むしろ「絶対に捕まりたくない」とビクビクしています。なので、捕まる可能性がより高い家に対しては、侵入前に犯行を諦める傾向があります。
従って、ホームセキュリティへの加入を示すステッカーには、貼るだけで防犯効果が得られるという非常に大きなメリットがあります。このメリットを求めて、警備会社に「ステッカーだけ譲ってもらえないか」と相談する人が多くいますが、果たして可能なのでしょうか?
答えは「不可能」です。ステッカーを販売すれば警備会社側もちょっとした商売になりそうなのに、なぜ不可能なのでしょう?
それはホームセキュリティの信頼度に関わるからです。もし空き巣の被害に遭えば、実際にはホームセキュリティを導入していなかったとしても、システムへの信頼度が低下してしまいます。そうなればステッカーが持つ抑止力としての効果も薄れてしまいます。従ってステッカーのみの販売は行っておりません。
ホームセキュリティは短期間だけの導入は可能なのか
ゴールデンウィークやお正月などで家人が家を空ける機会を、空き巣は狙っています。旅行に行ったり、実家に帰省したりと、ある程度の期間連続で家を空けるというのは、空き巣被害への不安が伴うものです。こういった時にホームセキュリティを利用できれば安心ですが、旅行や帰省の間だけといった短期間でもホームセキュリティの導入は可能なのでしょうか?
答えは、基本的には「不可」です。多くの警備会社は、ホームセキュリティの契約期間を5年以上の長期と定めています。5年未満での解約には解約金が発生します。
中には、短期間だけ導入したいというニーズに応え、1週間からの利用が可能なプランを用意している警備会社もあります。ただし、その場合の料金は通常導入時の月額料金と比較すると割高になります。
短期の導入は予算に余裕があれば検討しても良いでしょう。ただ、旅行や帰省で家を空ける機会が多い方は、その都度短期導入するよりも長期で契約した方が安いかもしれません。
まとめ
便利で心強いからこそ、気になる点や不安が生じるホームセキュリティ。警備会社は私たちのこういった疑問や不安に真摯に向き合ってくれます。ホームセキュリティの導入を検討しているけど、導入したらこういう場合どうなるのだろう?という疑問や不安がもしあれば、警備会社に一度ご相談なされることをおすすめいたします。小さな疑問や不安にも、きちんと対応してくれるでしょう。
ホームセキュリティの目的が防犯である以上、誤報はやはり起こってしまうようです。しかしこれも、誤報が起こった原因を特定することで対策ができますので、気を付けてさえいれば頻繁に誤報が起こるということないでしょう。
基本的には長期契約になりますので、「お試し期間」のようなものが無いのは残念ですが、導入することで得られる安心感はとても大きいものがあります。導入を検討なされている方はぜひ一度、ご自身が抱いている疑問や不安を警備会社にご相談してみてはいかがでしょうか。