マーキングとは一体何のことでしょうか?
マーキングとは英語表記でMarkingと書き、その意味は1.しるしをつけること、2.動物などが尿や体臭で自分のにおいを付け、縄張りを示すもの、となっています。
しかし人間、その中でも空き巣がマーキングをするケースがあるのをご存じだったでしょうか?
空き巣のマーキングにはさまざまな意味があり、空き巣を行う犯人がマーキングを行い、ターゲットとなった家の情報を表記していきます。
近年では外国人窃盗団も増えているため、荒っぽい手口の犯罪もまた同時に増えてきています。
ここでは、空き巣が使うマーキングの危険性とその対策について解説していきます。
マーキングは空き巣が下見をした証拠?
最初にインターホンや表札の近くなどにマーキングを始めたのは、訪問販売員です。
これは、同じ会社の訪問販売員がここは何度も断られる家、逆にこちらは押しに弱い家などといった情報を共有するためにマーキングを始めました。
また、留守の時間帯に訪問することも無駄足になりますから、当然在宅時間を示すマーキングなども広まってきました
ですので、玄関先のインターホンや表札付近にアルファベットや記号、数字などが書き込んである場合、見る人が見ればその家の家族構成や留守の時間帯が一目瞭然にわかるようになっています。
ここに目を付けたのが空き巣や窃盗団です。
空き巣を目的とする不審者は、必ず下見をします。
その時にその家の家族構成や不在時間、裕福な家かどうかなどの情報を玄関先にマーキングしておくのです。
空き巣としては、裕福な家の留守の時間帯に犯行に及びたいために、その下見はかなり入念に行います。
下見の方法は訪問販売員をよそおいインターホンを鳴らして在宅かどうかを調べる古典的なものから、SNSを利用したサイバー犯罪めいたものまでその方法はさまざまです。
インターホン以外にマーキングされやすい場所
マーキングされるのはインターホンや表札の近くなど目立つところだけではありません。
特に空き巣のマーキングはすぐに気づかれるところに書いてしまうと、住人に気付かれて防犯対策を強化されてしまうことも考えられるので、見つけにくい場所にマーキングされることがあります。
空き巣がマーキングしやすい場所は、ガスメーターや水道メーターの見つけにくい場所、玄関ドアを開けたときに見えなくなる玄関ドアを外から見た場合の右下などがあります。
特に新しい建物では、ガスメーターの検針員に家の裏まで入ってほしくないという理由から、玄関近くにメーター類を設置していることもあるので、空き巣がマーキングするにはもってこいの場所であると言えます。
また、郵便受けの底も要注意です。
郵便受けは必ず玄関先など目立つところにあり、家の敷地の奥まで入らなくても簡単にマーキングをすることができます。
その郵便受けも底にマーキングしておけば、住人や他の人に気付かれることなくその家の情報を書き込んだり読み取ったりすることができます。
このように、目立つところにマーキングされていないからといって安心はできません。
住人に気付かれにくく、空き巣同士でのみ共有できる場所にマーキングしてある可能性もあるからです。
空き巣によるマーキングの記号やマークの一例
ここで空き巣によるマーキングの一例を紹介していきます。
Mは男性、Wは女性、Sはシングルつまり一人暮らし、Fはファミリー、数字は時間や住人の人数を示します。
ですので「WS0817ル」とマーキングしてあった場合、その家は女性の一人暮らしで午前8時から午後5時までが留守(ル)という情報を読み取ることができます。
大抵の空き巣は留守の時間帯を書き込みますが、逆に考えると在宅時間も分かってしまうということになります。
空き巣は下見をしてマーキングした家の留守の時間帯を狙って金品を奪っていきます。
しかし、一人暮らしの女性の在宅時間を狙う犯罪者もいます。
それは性犯罪を目的とした犯罪者です。
マーキングの恐ろしさは空き巣が下見をしているということだけではなく、性犯罪を目的とした不審者にも情報を与えてしまうという所にもあります。
空き巣や窃盗団などによるマーキングを見つけたときの対処法
マーキングを発見したら、最初にとるべき対策は、マーキングを「消す」ことです。
ほとんどの場合マーキングは油性ペンで書かれています。
油性ペンはマニキュアを落とす除光液で簡単に消すことができます。
しかし、特定の色のシールが張ってあったり、サッシやメーター類に鋭利なもので彫り込んであったりする場合もあります。
シールでマーキングされている場合にははがしてしまいましょう。
きれいにはがれない場合にはホームセンターに売ってあるシールはがし用のスプレーを使うと便利です。
サッシやメーター類に彫り込んである場合には、素人ではきれいに消すことができないので、サッシ屋など専門の業者に作業を依頼するときれいに消してくれます。
このようにマーキングを消してしまうことで、マーキングをした本人たちに、「下見しているのを知っていますよ」というメッセージを送ることができます。
このようなメッセージを受け取った空き巣たちは、その家は防犯意識が高い家と認知し、空き巣に入ることを躊躇するようになります。
こうしてマーキングに適切に対処することで、犯罪の被害を未然に防ぐことができます。
マーキングを消す以外にできる対処法はある?
空き巣などの犯罪者にマーキングをされていたということは、一度は犯罪のターゲットになっていたということを意味します。
ということは、住まいの構造や住んでいる場所の地域性などに空き巣に入られやすい要素があったということになります。
ですので、一度マーキングを消して対策をしたからといって安心はできません。
またほかの空き巣のターゲットにされる可能性もあります。
では、マーキングを消す以外にどのような対策を取ればよいのでしょうか?
マーキングを消す以外の対処法としては、まず玄関ドアや窓に自分でできる防犯対策を施すことです。
比較的簡単にできる防犯対策は、玄関ドアや窓には補助錠を増やし、窓ガラスには防犯フィルムを貼って割りにくくするなどの方法があります。
外観から見てこの家は侵入が難しいと空き巣に知らせることができれば、空き巣がターゲットからはずす確率が高まります。
また、マーキングがあったことを地域の交番などに相談しておくことで、パトロールの回数を増やしてもらうこともできるかもしれません。
さらに、近隣の住民と自宅にマーキングがあったという情報を共有することで、他の家でもマーキングを発見することができるかもしれません。
このような情報の共有により、その地域が空き巣に下見されていたと近隣住民が意識することで、地域全体の防犯意識が高まり、不審者が近づきにくい地域づくりをすることが可能になります。
まとめ
ここまで、空き巣がマーキングをする目的と、マーキングの例、マーキングをされたときの対処法について解説してきました。
マーキングをされているということは、一度は空き巣のターゲットにされ、下見されていたということです。
そのまま気付かないでいると、本当に空き巣の被害にあっていたかもしれません。
自宅にマーキングをされていないか、今一度入念に確認しておきましょう。
もし、マーキングされていたら、すぐに消すことで空き巣に「下見に気付いています」というメッセージを送ることができます。
しかし、マーキングを消すだけでは万全な防犯対策を行ったとはいえません。
空き巣はその家は防犯意識が低く、侵入しやすいと判断したためマーキングをしたので、一度マーキングを消しても、それだけではまた別の空き巣に目を付けられてしまう可能性があります。
窓や玄関などに補助錠を付けるなど自分で物理的な防犯対策を行うとともに、近隣住民と空き巣が下見しているという情報を共有し、地域全体の防犯意識の向上を図るようにしましょう。